黒部五郎岳〜弓折岳

(北アルプス)

(記・白子八千代

H.10.7.18〜20

CL 白子  細尾

 

 1日め、快晴のち曇り。かなりガスってきていたので薬師峠でテントを張った。

 会のライペン1〜2人用1.4キロのテントは中で煮炊きもできたし、荷物を全部中へ入れても2人がふつうに寝られるという、軽いのに快適なテントである。またゴアだからフライなしでも雨に耐えた(豪雨の時は知らん)。

 2日目も快晴。私は念願の黒部五郎岳の頂上に立ち、いくつかの雪渓をいだいた大きなカールを見おろして感激した。やっと頭の中の地図の空白を埋めることができた。自分が地図の上を歩く小人になったような気がする。縦走は楽しい。

 黒部五郎のカールの花は早くも終わってしまっていた。

 小屋の前にたどり着いた時はまだ10時すぎだったが、朝4時からの行動だったので長めの昼休憩をとった。その後の三俣蓮華への登りはしんどかった。樹林帯で蒸し暑い上に食べてすぐの急登だったためか、ふたりとも少し気分が悪くなった。長距離の時は一度にたくさん食べたり、長い休憩はしない方がいいというのは本当らしい。

 三俣蓮華岳は細尾さんの念願の山(彼女にはきっと100くらいある)であるが、この時はガスっていてほとんど展望がなかった。がっかりしたせいかそれとも去年の夏合宿に比べると今年はトレーニング不足だったせいか、ふたりとも疲れが出てきた。今日はこれくらいにしといたるわ!と言いたいところだったが、明日電車で帰らなければならないことを考えるとやはり双六までがんばった方がいい。ガスっていたので、迷いやすいという稜線を避けて巻き道を行ったところ、お花畑が素晴しかったのでまた元気をとりもどした。ゲンキンなものだ。 

 双六で夜中の1時すぎから雨が降り出した。たくさん写真を撮ったけど、今回細尾さんが一番撮りたかったのは「双六岳か弓折岳から見た真ん中がふくらんでるような(山渓に載ってるような)槍の写真」だったので、出発を遅らせて雨のやむのを待ったがだめだった。別の機会に期待しよう。

 鏡平から下半分の槍をうらめしく見つめながら、小屋で買ったかき氷を食べた(個人山行やもん!)。小屋の人が「ふたりでかき氷1皿にしたら?」と言ってくれたのに、欲張って各1皿ずつ食べたところ、ふたりとも途中から震え出した(笑)。 

 笠新道の入り口や新穂で多部さんと英子さんを待ったけど会えなかった。車に乗せてもらおうなどという下心があったわけでは……決して……。

 朝の9時すぎに新穂に着いてしまって1日損したような気がした。前日に膝が笑い始めるまで歩く必要なかった?

 私達ふたりの時はいつも写真をとりながらのんびり歩くせいか(そのかわり早起き)、いろんな人がよく話しかけてくれる。合宿とはまた別の意味で楽しかった。