北ア 槍ヶ岳 北鎌尾根

(記・山田 悠二


平成6年5月2日〜7日( 天候 晴、 雨、 吹雪、 晴)

CL多部 SL山田  井本
 西村
   
○入山の時点で、 他パーティーが下山して来て、 天気も悪くなるとの予想であった。 1泊した後、 天候が少し良くなったのでアタックした。 後半吹雪となり冬山の様相を呈し非常に厳しかったが、 実りある山行ができたと思う。
○ 日程的にもあまり無理をしなかったので良かったと思う。

5/3 
6:00 信濃大町 タクシーにて発。  
6:40 高瀬ダム上部着。 ダムの横にトイレあり用を足し、 7:10 発
7:55 トンネルをぬけた所の発電所で休。
8:10 高瀬ダムの切れるあたりで休。 8:25発。
8:50 名無小屋着。
9:20 川九里沢の池手前にて休。 (1396) 9:30 発。
10:00 晴嵐荘の見える広場にて10パーティーほど下山してくる。 山の状況を聞く。 パーティーはほとんど時間切れで明日から天候が崩れるとのことで下山してしてくる、 29日ごろから天候悪く槍までアタックできたパーティーは少ないとの事。 晴嵐荘と湯俣山荘も開いていない。 少し行くと小さなダムがあり、その左手を行く。

10:30 湯俣、 水俣の出合の吊り橋、 ここよりいよいよ沢道となる。 10:40 発。 11:20 5人パーティーに会う。 北鎌沢の手前の沢を下山してきたとの事。 P5〜6のコルへつき上げたが少し雪がくさっているとの情報をもらう。 中東沢をすぎた所でワイヤー2本ぶら下がっているが1本切れかけ、 ザイル出して5ほど下る。

13:30−13:50休。  千天出合手前でナナメになった落ちそうな吊り橋のたもとの流木をつたって2ほど登り、 橋に乗りワイヤーをつかみながら1人ずつ渡る。 千天出合をすぎ、 中央に石のあるスノーブリッジを渡る。 少し行くとワイヤーだけ張った所があるが渡れない。 その年の5月の状況によって、 徒渉しなければならない。

15:00 北鎌尾根取付地点、 テント何張りが張れる。 通常ここより取りつくが、 情報をもとにもう少し沢沿いに進む。

15:30 雪のない河原にテントを張る。 となりへ単独行の男性がテントを張っていた。 もってきたラジオが入りにくいので、 その人にラジオを借りて天気図をとる。 コーヒーをごちそうする。 私達と同じようなコースをとるとの事だが、 運動グツのような登山靴にサブで行くらしい。
 
 ルートを見に行く。  天気図では明日は雨のようだ。

5/4
4:00 起床。 少し雨が残っていたが 5:00 には止む。 風少しあり。
6:00 発。 くもり。 全員元気。 2万5千分の1の地図上1,699地点より天上沢右側の沢へとりつく。
6:30 休。 アイゼンをつける。 6:45 発 (2,050)。
7:25 休。 晴となる。 7:30発。
8:30 2,300地点で休。 8:45 発。 傾斜は急となる。
9:30 P6 (2,540) の手前P5あたりの尾根に出る。 P6をすぎた下り、 右側をザイルなしで下る。
10:35 休。 行動食 11:00 発。
11:10 北鎌コル。 男性3人パーティーにぬかれる。 途中会ったのはこのパーティーだけである。 11:20 発。
13:15 P8 (2,749) 風が強くなる。

P8への登りは急で長い。 雪はくさっていて時々ゴボゴボ入る。 井本ちゃん、 バランスを崩し少し危なかった。

P9は大きく右を回り込み雪壁とガレの交わった所をザイル40いっぱいで登りきる (P9正面のガレのような所を登る方が良いかもしれない)

16:00 独標 (2,899) 手前基部で雪上へテントを張る事にする。
西村さん少しバテぎみ、 シュラフに入って休む。
テントの支柱1本を北鎌沢の方へ落としてしまい、 ザイルをつけ雪庇をぬいて20ほど下り拾ってくる。

5/5
6:00 起床。 雨と風が強い。 少し様子を見る。
9:00 発。 独標は直登ルートをとる。 取り付きの回り込む所が雪がやわらかくくさっているので少し悪い。 ザイルを3回出す。 直下の雪渓はノーザイルで岩と岩の間を登る。 テント場になる所あり。
11:20 独標をすぎた所で休む。 雨も止む。
天上沢側を大きく巻き、 2,873地点へ。
12:55 2,873地点。 13:00発。
北鎌平手前のピークの下部にて泊。

5/6
6:00 起床。 風強く吹雪。
8:30 1ピッチザイルで雪壁を登る。 井本ちゃん体調少し悪い。
11:30 北鎌平。 吹雪で冬山に逆もどりだ。 目出帽がほしい。 顔が痛い。
13:00 槍ヶ岳。 すべてザイルを出しユマールにて登る。
エビのしっぽがビッシリとついている。 頂上から槍の肩への下りは氷化している槍〜槍ヶ岳山荘までの下りも吹雪で風が強く下り口がわからない。 やっと鉄バシゴを見つける。 下降もザイルを使って慎重に下る。
15:40 槍ヶ岳山荘着。 今日は全員疲れたので、 山荘へ泊まる事にする。 山荘には10パーティーぐらい (?) とスキーをかつぎ上げてきているパーティーもいた。 山荘から予定より1日遅れる事をTELする。

5/7
5:30 起床
6:30 発。 昨日とはうってかわって快晴だ。 槍ヶ岳が朝日で赤く燃えていた。
飛騨乗越より飛騨沢へはアイゼンが良くきいて、 快適に下る。 シャラシャラとアイゼンの爪から氷がはがれて足元を滑っていく。 太陽に反射してきれいだ。 昨日までの行程をふりかえり、 満足感に浸りながら、 槍平小屋、 白出沢出合、 新穂高温泉へと下山する。