槍 ヶ 岳

(冬山合宿・先発隊)

(記・渡瀬 修

H9.12.29〜H10.1.1

CL:渡瀬 多部 白子 細尾 小山

 先発隊で行く予定だった白子欽さんが腰痛のため後発隊で行くことになったので、テントを1張りに減らして行くことにした。

 今回は出発が早かったので栃尾温泉につかってから仮眠をとることが出来た。温泉を出てからは車の中で宴会を行い、気分は大峰である。

 初日は快晴、トレースがバッチリついた路を槍平まで行く。途中、中崎尾根から降りてきたという人に話を聞くと、尾根上もトレースがついていて舗装道路のようだったとのこと。今年もラッセルがなさそうだとほくそ笑む。その夜はかなり酒を飲み酔っぱらいが2名出現した。

 二日目は朝から雪が降っていたが出発。他にも中崎尾根に取り付いているパーティーがあるようだ。尾根上までの登りはかなりの急登でトレースに助けられながら登る。尾根上に出てから少し登るとべたべたに濡れたツェルトをかぶり「う〜、寒い。」とつぶやいている2人組のパーテイーがいた。耐寒訓練のようだが悲惨な光景だった。この日はガスがずっとかかっていて視界が悪かったため、天場予定地である2,500m台地が確定できず2,600m付近まで登ってしまった。2,600m付近も3張りぐらい幕営可能である。その晩はちょっと吹雪いているみたいだった。

 三日目、朝起きて外を確認すると昨晩の雪でトレースは完璧に消えていた。視界も悪いため、出発を遅らすことにする。出発の準備をしていると槍までピストンするパーティーが何組が通り過ぎていく。全装備を担いで槍まで行くのはどうやら自分らだけみたいだ。千丈沢乗越への登りは左の岩稜を登らず右側の雪壁を登る。時間的には雪壁を登る方がかなり早いが雪崩そうで気持ち悪い。槍の肩に着く頃には風がかなり強くなっていて先に到着していた人は冬期小屋で待っていた。一度小屋の中にはいると外でテントを張って寝る気にはなれずその晩は冬期小屋に泊まることにした。

 四日目、視界はかなり悪くすぐそこにあるはずの槍が全然見えない。誰も登ろうとせず時折入口の扉を開けて外を確認することの繰り返しだ。槍往復と下山の時間を考えて最終の登りはじめの時の刻を7:00に決め天候の回復を待ったが結局回復せず、槍の穂先を踏めないまま下山することになった。残念やけど仕方がない。下山は飛騨沢を下ることにする。上部からの雪崩を警戒しつつ急いで降りるが膝くらいまでのラッセルで昨日までの登りよりもしんどいくらいだ。途中登ってくるパーティー数隊とすれ違う。宝の木上部、大喰岳西尾根の取付に後発隊のためバンブーをたてて下る。予定よりも早く槍平についたので今日中に下山しようということになり、そのまま帰ることにする。滝谷出合の上部で後発隊と遭遇しひとしきり話したあと新穂を目指す。
 下山後栃尾荘に行ったが、満室だったので民宿を紹介してもらいそこに泊まった。

 何事もなく帰っていたが高速で渋滞の最後尾に追突されてしまった。幸いバンパーがへこんだ程度だったので警察の現場検証を受けて帰ってきた。

 交通費  7,500円/人  民宿代 7,500円/人
 食料費他 5,500円/人 冬期小屋使用料 1,000円/人