プラ・ナン

(タイ/フリークライミング)

(記・伊藤海彦

H.9.4.27〜5.4

伊藤海  南(勝山山岳会)

 プラナンはタイの南部、インド洋に面したアンダマン海側にある岬をさす。岬とはいえ、ここまでは道路がなく、途中アオ・ナンかクラビーで船に乗って行かなければならない、陸の孤島である。この岬はヨーロッパ、オーストラリアや中国系の人々のための一大リゾート地で、大自然を満喫できるところでもある。
 かの地の開拓は1980年代後半から始められ、現在は300本近くのルートが存在する。ここの岩質はすべて石灰岩であり、ショートルートからマルチピッチのルートと、様々な楽しみ方ができる。形状も垂壁からポケット、どっかぶりのガバルート、コルネを使うものと、実にバリエーションに富んでいる。
 グレードに関して、いわゆるフレンチグレードがつけられており、5(5.7〜5.8)から8b(5.13d?)まで揃っている。
 日中の気温は35℃以上になり、蒸し暑いのでクライミングに適さない。我々のとったパターンは、午前中クライミング、昼は海水浴(西側のビーチはきれい)、夕方はほぼ毎日スコールが降るのでその間を利用してクライミングというスケジュールで行動した。
 エリアによっては満潮時取り付けないルートもあるようだが、干満の差が激しく、干潮時は海水浴もままならないこともある。