空木岳〜檜尾岳

(中央アルプス)

(記・白子八千代)

H.9.10.10〜12

CL白子  SL白子  井本 田中  細尾  渡瀬

10/9
21:00 和歌山発

10/10 (快晴)
3:00 駒ヶ根高原着。駐車場
5:50 起床
7:10 出発
10:10〜20 水場
13:35〜50 分岐
14:20〜15:05 駒石
16:10 駒峰ヒュッテ
18:30ごろ  空木避難小屋前寝る。

10/11(ひょう&雪&雨)
5:00 起床
7:00 出発
7:50〜8:00 空木岳頂上 
9:05 木曽殿山荘
9:40 水汲み
9:50 出発 
10:15 東尾岳頂上通過
11:15 熊沢岳頂上通過
13:30〜40 檜尾岳頂上
14:00〜10 檜尾岳避難小屋前
19:40 寝る。

10/12
4:00 起床
6:00 出発
8:00〜10 赤沢の頭
9:20 檜尾橋バス停
9:26 菅の台駐車場着
17:20 和歌山着 

  
 名阪から中央へ入って、駒ヶ根I.C.で下りると、5分程でどこかの大きな駐車場に着いた。

 翌朝、登山地図では町の様子がわからず、地元の人に道を聞きながらやっと登山口へ。遊歩道の方へ入ってしまったりしながらもなんとか水場(池山小屋から10分くらい)に着く。下山者より空木平の避難小屋付近の水はなかったとの情報を得るが、今日の行動分だけの水を入れる。前日に電話で問い合わせた地元の駒峰山岳会の方が「水はあるはず。万が一水がなかったらうちの小屋(駒峰ヒュッテ)の水を使って。」と言ってくれたので。

 単調な樹林帯が長く続いたので喜んで「大地獄」「小地獄」に突入したが、整備されすぎていて全くスリルなし。しかも、そこを過ぎてもまだ樹林帯! 日差しが紅葉した葉を透して夕焼け色に変わる。

 低木帯に入るとまもなく分岐。本当に水はないのかもしれないし、駒峰ヒュッテの方へと続く稜線が明るくて魅力的に見えたので、予定変更して上の方の道を登り始めた。
近くは宝剣や南駒ヶ岳、遠くは南アルプスや富士山まで見える大展望だった。

 途中に駒石(6〜7m)という大きな岩があり、簡単に登れる所を探してよじ登って昼寝をしたり、フリークライミングを試みたりして遊ぶ。

 そこから30分くらいで駒峰山岳会所有の駒峰ヒュッテに着いた。KRCの生石の小屋より小さいけれど、小屋番をするにも歩いて登ってこなければならず、この小屋の維持は大変だろう。雨水を分けてもらって、避難小屋へ下る。

 空木避難小屋は超満員。前の空き地は8張りほどのテントでいっぱいで、場所を確保するのに苦労した。ちと、駒石で遊びすぎたかな?水は少し下りた所の沢に豊富にあった。地元の人の情報は確かだ。 会の新しい1〜2人用のゴアテントは暑がりの2人でも寒かったそうだ。いくらゴアでもフライや外張りなしでは夏山以外は無理なのではないか…?夜は風の音がすごかった。

 翌朝はガスと強風の中を出発。空木岳頂上ではあられが降ってきた。私は警察に登山届を出すのを忘れたことと、全員アイゼンやピッケルを持ってきていないことが気になったが、みんなと相談の結果、情報収集のためにもとりあえず木曽殿山荘へ下ることにした。

 あられはすぐ雪に変わり、足元はガレ場で、ベルグラもあったため注意しながら下る。下るほど風が強くなった。

 吹雪の中で進路の決断ができないリーダーの未熟さを許してもらうことにして、木曽殿山荘に入って休憩する。コーヒー(自炊)を飲みながら気持ちを冬山モードに切り替える(遅い!)。「檜尾岳までの道は簡単で、天候も回復方向」ということなので、予定通り檜尾岳避難小屋まで行くことに決める。水情報はここでも錯綜したが、小屋の人の情報の方を信じて、この近くで汲んで行くことにする。
 明日の午後までの水として小屋から5分程下の「木曽殿の力水」を女性1.8〜2.5L、男性は3L(男性側からの申し出なので、念のため。)くむ。

 東尾岳頂上を通過するとすぐに簡単な岩場があった。岩にみぞれ状態の雪が付着して滑りやすい部分もあったが、積雪はなく岩の形状がよくわかるので難なく通過する。

 西風なのに道はほとんど稜線の西側。東側はうそみたいに静か。フリースの手袋は冬山では凍って使い物にならなかったが、今回は濡れても暖かくて役に立った。それにしても強い西風で特に左の頬は目出帽がほしいくらい冷たかった。あとで比べたが右頬と左頬に差はなかったので冷凍美容はインチキである。

 晴れていたら快適な道だろうけど、ほとんど人に会わなかった。

 檜尾岳避難小屋も超満員。学校の体育館のミニチュアのようなかわいい建物だけど、中はクサイ。小屋のまわりは広くて平らだったが風が強いため5分くらい引き返して窪地にテントを張る。

 きれいな星空がぼやけた朝焼けに変わる間に撤収して、雪が積もった檜尾根を歩き出す。登ってきた空木岳も千畳敷のロープウェー駅も見えた。出発するとすぐに樹林帯へ。ぼこぼこ出た木の根と苔と雪の急な道を下る。

 赤沢の頭の手前ぐらいから雪が消え、道もよくなった。登りの池山尾根より紅葉がきれいで、秋晴れの朝に山を下りてしまうのがもったいなかった。

 檜尾橋バス停でとにかく駒ヶ根高原方面かどうかだけ確かめてバスに乗り、見覚えのある町並みで降りたらそこが終点の菅の台で、車を置いた駐車場だった。こんなんでよく吹雪の稜線を歩いてきたなあ…。自分が今生きているのは単に運がいいだけだと、私は山の帰りによく思う。

 駐車場から徒歩6分の「こまくさの湯」に入って帰る。