奥穂高岳〜西穂高岳

(北アルプス)

(記・細 尾 光 子
(追記・久 保 章)

H.14.10.3夜〜6(晴れのち曇り)

CL久保章  井本敏  細尾 

10/3(木)
21:00 井本宅出発

10/4(金)
3:00 新穂高駐車場到着 仮眠
7:50 新穂高駐車場出発
8:50〜9:00 穂高平小屋休憩
9:40 白出沢出合小屋
10:40〜10:50 休憩
11:00 橋を渡る
11:55〜12:10 あまりの紅葉の美しさに久保さんスケッチ始める(休憩)
12:55〜13:05 休憩 小屋の石垣がまっすぐ上に見えてくる
13:50〜14:00 休憩 小屋の石垣がすぐそこに見えてくる
14:30 奥穂高岳山荘着

10/5(土)
4:30 起床 ガスっている
5:15 美崎さんのお友達の岐阜の板津さんも一緒に小屋を出発
5:50〜6:05 奥穂高山頂ガスっていて視界なし
6:50 ジャンダルム(この上がジャンダルム頂上下を巻く。
    やはり姿を見せてくれず)
7:30 やった! ガスがきれてきて、西穂高岳が目の前に出てくる。
8:05 岳沢分岐
8:40〜8:50 天狗岳山頂休憩 360度のパノラマ 槍の穂先が見えた。
9:35〜9:45 休憩
10:10 間ノ岳山頂
10:50〜11:30 西穂高岳山頂 大休憩 槍の穂先が見える
11:55 ピラミッド通過
12:10〜12:30 独標の少し先で休憩(人が多い為山頂はさける)
13:05〜13:20 西穂山荘を少し下ったところで休憩
14:05 ロープウェイに乗る
14:35 新穂高着
15:00 駐車場着
15:30 岳人の宿 ジャンダルムに到着

10/6(日)
10:10 岳人の宿 ジャンダルム発
15:30 井本宅着

〈費用〉
ガソリン代、高速代、ロープウェイ代、食事代、岳人の宿ジャンダルム泊 25,000円/人

 今回は、この夏に行ったコースをひたすら晴れた日に歩いて見たい一心で選んだ日程で逆コースを取りました。白出から登るコースは比較的人も少なくこの季節、紅葉が美しくお勧めのコースだと思いました。夏には雨の中、下ったガラ場も今はダケカンバの黄色やナナカマドの赤色で周辺を埋め尽くしており、涸沢に負けない程の鮮やかなコントラストに思わずシャッターを押してしまいます。久保さんもスケッチを始めました。奥穂高岳山荘に着いて涸沢を覗いて見るともう雲が湧いてきて見えませんでした。夏に会った美崎さんのお友達の板津さんにバッタリ小屋の中で会い、板津さんはテントでしたが、一緒に小屋の夕食を食べました。用意しなくていいなんて、なんとし・あ・わ・せ!
 2日目の朝、久保さんが外を見てきてくれる。やはり、ガスっている。ガスの中出発! 奥穂の山頂でも何も見えず、所々昨夜、雪が降ったようで、氷が残っていた。ここから、五人になり、久保さんに着いて行ってもいいですか?と言う千葉から来た若い男の人と板津さんを入れて進む。
多少、アップダウンはあるけど、下りのコースなので慎重に進んだ。夏のコースがよみがえってきた。若い人は奥さんに一人と言わずに来たので、皆で行ったという写真撮りたいと言って証拠写真を撮っていた。ジャンダルムはこの上当たりも霧の中を進む。少し歩いて行くとガスがきれて西穂高岳が姿を現わす。
夏には一度も姿を見せなかった。風景がだんだん出てきた。天狗岳の頂上で久保さんもスケッチをし、私たちも写真を撮った。久保さんのスケッチブックの紙もなくなってしまう。途中、千葉の人も上高地側に板津さんも先を急ぎ別れる。三人でゆっくり紅葉を楽しみながら、下山する。ロープウェイも満員でまた登りもかなり混雑していた。いい日程でこれてよかったです。美崎さんが小屋、お宿と色々と配慮して頂いたおかげで楽しい山行になりました。もしかして天候も美崎さんが欠席のお・か・げ?

「奥穂〜西穂」追記  〜リ−ダ−の判断〜

 山荘で明るくなって天気が回復するのを待ってみようとか奥穂山頂まで行って様子を見ようとか、途中まで行って天気が悪ければひき返そうとか言っていては何も実現しない。ですからリーダーは常にその時、その時の状況判断を的確に判断しなくてはならない。誤れば隊として組織の志気が弱まる。
10月5日(土)雲、晴、快晴
 昨夜7:00の天気予報では日本列島全般が高気圧におおわれ天気は良好、岐阜県内も晴マーク。これで50%の確信がもてた。明朝4:30に起きて観天望気をすることで早めに就寝する。
 体内時計を朝4:30にセットしていたが3時に起床した。布団の中で1時間半うとうとと4:30を待つ。4:25 一人静かに山荘の外に出て空を見上げるが星はなし。ガスは濃く白出谷から吹き上げてくる風は非常に冷たかった。この風が北尾根の方(東)から吹いてくる場合、天気は悪くなる。白出谷から冷たい風が吹くということはつまり良天のきざし。これで本日縦走決定。他の登山者も山荘の前で出たり入ったりしていた。部屋にもどり井本さんに状況を説明。となりに寝ている細尾さんを起こしてもらう。同じ部屋に寝ている他の登山者に迷惑にならないよう静かに布団をかたづけ下の玄関に下る。
 ストーブの前で靴をはいていると4名パーティの中の一人中年のおばさんが声をかけてきた。
(中年のおばさん)元気そうですね。
(僕)奥さんも元気そうですよ。
(中年のおばさん)昨日は北穂東稜を登って来た。懸垂下降の所はフリーで下りました。
(僕)すごいですね。今日はどちらまで行きますか?
(中年のおばさん)奥穂、西穂の縦走です。
(僕)僕達もそうです。先に行って下さい。すぐ追い付きます。
 井本、細尾さんも出発準備が出来、美崎さんの友人、板津さんもすでに準備が出来ていたので、ヘッドランプを付け、山荘5:20出発する。鉄のハシゴ段を登ってきた所で単独者を追いぬき、少々明るくなった頃、奥穂山頂に着く。先に出た4名パーティと合流する。朝食の弁当を頂上ケルン下の岳沢側、風の少ない所で弁当を食う。細尾さん、ちょっと寒そうです。
 ここでまた、千葉の一人、どうしても私達と行動を一緒にしたいと申し出てきたので、リーダー判断、同行を許す。5名パーティとなりました。縦走を決定したので今度は4時30分最終ロープウェイに間に合うよう行動しなくてはなりません。
 久保先頭にゆっくりだがリズミカルなピッチで馬の背へ。ガスっていたので白ペンキを途中で見失い、少々右寄り(飛騨側)の支尾根に行きかけたが、すぐまちがいと思い引き返し本ルートへ入る。みぞれ混じりの雪が所々にある。濃いガスの為、岩がぬれている。ここで井本、細尾、板津、千葉の人に気合を入れて馬の背を下降するよう指図する。あれだけ奥穂山荘に登山者が大勢来ていたのに、奥穂、西穂の縦走組は4名+5名+2名=11名です。
 馬の背を無事下降。ジャンダルムに着く頃、薄日がさしガスもやわらぎ天気良好の見込み大。ここで大休止する。
 ジャンダルム岳沢側トラバース、くさり場を下りるとジャン、ロバの耳のコルに着き、ロバの耳は奥穂、西穂縦走の時は登りの方が大となり問題なし。畳岩、コブ尾根の頭、天狗のコルへ。コルの避難小屋跡の広場で陽をあびながら大休止。行動食を食う。
 大きく1ピッチ登行して天狗岳に着く頃、天気は快晴となる。前穂が見える。吊尾根、明神岳、ふりかえればジャンダルム、ここからのジャンダルムは野生的でジャンの飛騨尾根はすばらしい。絵を一枚描く(ジャンの絵)。西穂が見える。上高地が見える。徳沢園の山小屋の尾根が銀色に光って見える――。何といっても日本アルプス3000m一級の岩尾根縦走です。井本さん、細尾さん、おめでとう。今、現実の世界で彼女達は感激しています。昨日の白出谷上部の草紅もよかったが、上高地上部の紅黄葉もきれいです。間の岳が知らぬ間に通過していた。西穂高岳にて又も大休止。もう危ない岩場もありません。独標山頂は大勢の登山者で一杯でした。西穂小屋前もとの通り、クマササをつみとりながらロープウェイに間に合いました。 おわり。